True Peakって何?普通のPeakと何が違うのか

True Peakって何?普通のPeakと何が違うのか

目次

普通のPeak(サンプルピーク)って?

こっちはデジタルの“点”をそのまま見た最大値

DAWで波形の頭が赤になるやつはほとんどこれ。

  • デジタル処理中の安全ライン
  • 計算が軽い
  • プラグイン内部の処理は全部これ前提

要するに「DAWの中でのピーク=サンプルピーク」。


True Peakって?

こっちは実際にアナログで鳴らした時にどうなるかを計算した値。

デジタルは「点の集まり」なので、

再生するときは点と点の間を滑らかに“補間”される。

その補間のときに

点よりも大きく飛び出すことがある(インターサンプルピーク)

→ これを予測したものが True Peak。

YouTube とか Spotify が -1.0 dBTP とか言ってるやつもこっち。


「アナログにすると音変わるの?」問題

変わるというより、

もともとの連続した波に戻るだけ

デジタルは点で、アナログは線。

点 → 線に戻すときに、ちょっとふくらむ部分がある。

これは音が改変されたわけじゃなくて、

「復元したらちょい出っ張った」だけ。

問題は、その出っ張りが0 dBを超えると物理的に歪むってこと。


True Peak の計算方法(ざっくり)

  1. 音を4〜16倍にオーバーサンプリング
  2. sincフィルタ(ローパス補間)で連続波形に近づける
  3. 補間後の波形の最大値を取る
  4. それが dBTP として表示される

現代PCなら単発の計算は軽い。


「じゃあ最初からTrue Peakだけ見ればよくない?」という疑問

これ、自分も思った。

でも結論は用途が違うから両方必要

  • Peak → DAW内部の処理の基準
  • True Peak → 最終的にアナログで鳴る瞬間の基準

あと、全部のトラック・全部のプラグインを

常にTrue Peak前提で4〜16倍の計算にすると

どうやら重いらしいし、

ミックス途中はアナログ化されないから、

TPを見る意味がない。

最終段階(マスタリング)だけTPを見るのが合理的。


まとめ

  • Peak:デジタルの点の最大値。DAW内部の基準。
  • True Peak:アナログ再生時の最大値(補間込み)。
  • True Peakは数学的にちゃんと計算できる。
  • ミックス中はPeak、最終でTrue Peakを確認するのが普通。
  • TPは -1.0 dBTP くらいにしておくと安全。